インドネシアのネット広告市場に見るナンバーワン企業の法則

みなさん、「ナンバーワン企業の法則―勝者が選んだポジショニング」という本をご存知でしょうか?原題は「The discipine of market leaders」でマイケル・トレーシーさんとフレッド・ウィアセーマさんによって書かれたものを大原進さんが翻訳しています。アマゾンで検索してみたら、もう既に絶版になっており、中古で5000円ぐらいするんですね…。

 

ナンバーワン企業の法則

 

 

私がはじめてこの本に出会ったのは大学3年生の就職活動時期で、その後社会人3年目でもう一度読み直したきりでした。そして長い年月が経って、最近インドネシアのネット広告市場を説明する中で、本書に出てくるナンバーワン企業が選ぶ3つの価値基準が、しっくりくるので、このブログでもご紹介しようと思った次第です。

 

 

ナンバーワン企業の3つの価値基準とは?
1.    Product Innovation(プロダクト・イノベーション)
2.    Operational Excellence(オペレーショナル・エクセレンス)
3.    Customer Intimacy(カスタマー・インティマシー)

 

 

私は就職活動時期に、某IT企業のセミナーでこの3つの価値基準の説明を受けたのですが、凄く分かりやすかったので10年ちょっとたった今でも鮮明に覚えています。

 

プロダクト・イノベーションを発揮しているのは、例えばマイクロソフトやインテルのような新しいプロダクトを出し続けることで市場を圧巻している企業です。当時セミナー講師のK先生は「愚民どもよ、我らのプロダクトを使うが良い」という面白い表現をされていましたが、本当にそうは言っていなくても、それぐらい言えるような企業です。Google(グーグル)もそれに入りそうですね。

 

2つ目のオペレーショナル・エクセレンスを発揮しているのは、例えばマクドナルドです。K先生は、「高校生のアルバイト中心でも店舗がまわる仕組みを作ったことは素晴らしい。例えば銀行が高校生だけでまわるのか?」とおっしゃっていましたが、まさに卓越したオペレーション体制を築いている企業のことです。他には、質の良い家具を低価格で提供するオペレーション体制を確立させたイケアが入るのではないでしょうか。

 

最後に3つ目のカスタマー・インティマシーですが、例としてリッツカールトンホテルの名前をあげられていました。顧客の好みを記録して、顧客に驚きと感動を与え、親密な関係を築き上げる企業のことです。サービス業に多そうですが、ファッションブランドのエルメスも同じ商品を修理して長く使ってもらうという顧客関係を築くので、これに当てはまると思います。

 

 

では、これらをインドネシアのネット広告企業に例えるとどうでしょうか?

 

 

1.    プロダクト・イノベーション
こちらは本当に「愚民どもよ、我らのプロダクトを使うが良い」がぴったりなのですが、facebook(フェイスブック)とグーグルの広告のことです。フェイスブックはパーソナルデータを用いて市場を圧巻し、グーグルも検索連動型広告だけで無く、リマーケティング広告、ネイティブ広告、動画広告など網羅し、両社とも新しい広告機能をアップデートし続けています。東南アジアにおいても、その強さは目を見張るものがあり、APACのネット広告市場の51%は彼ら2社によって支配されているという調査データも出ています。あともう1社あげるとすればCriteo(クリテオ)社です。彼らはダイナミックリターゲティングというプロダクトで、インドネシアの上位EC企業のほとんどを顧客としています。フェイスブック(米)、グーグル(米)、クリテオ(仏)、みんな欧米企業ですね。

 

2.    オペレーショナル・エクセレンス
インドネシアにおいて、このポジショニングに関しては、日系ネット広告代理店が力を発揮しているように思います。前述のフェイスブックとグーグルの広告ですが、この広告を最適に運用するためのオペレーション体制を築く企業がいます。フェイスブック広告はターゲティングの設定技術だけで無く、バナーや動画などどういったクリエイティブを用意するかも重要です。ある日系広告代理店は、フィリピンにクリエイティブ制作部隊を作り、日夜ABテストで効果改善を行っていると聞きます。グーグル広告にしても、日々のキーワード設定もそうですが、目まぐるしく変わる広告機能やケーススタディの情報収集、そしてそれら新しい知識を現場の運用スタッフへの落とし込むオペレーションが非常に重要です。

 

3.    カスタマー・インティマシー
最後のカスタマー・インティマシーですが、インドネシアで儲かっていると言われているネット広告企業、デジタルーエージェンシーのほとんどがこのポジショニングをとっています。例えば、世界大手の広告代理店WPPグループやオムニコムグループ、日本の電通もそうですが、グループ傘下にデジタルエージェンシーやデジタル専門部署を持っており、このポジショニングで大きな売上を上げていると考えられます。外資系だけでなく、ローカル系も同じです。私は採用活動と情報収集のために、100人近くのマネージャーや営業担当とリンクトインを通じて会って来ましたが、みな口を揃えて顧客とのリレーションシップが大事だ、それがインドネシア独特のカルチャーだと言います。

 

 

もう少しインドネシア独特のカスタマー・インティマシーについて、お話しましょう。

 

 

私が会った100人近くのマネージャーや営業担当が言う顧客とのリレーションシップとは?

 

・毎日ワッツアップやBBMで、挨拶やジョークを送る
・たまにドーナツ持参でオフィスに訪問
・誕生日にはお祝いのメッセージとケーキを贈る
・クライアントの担当者が欲しいもの(例えば、靴とかコンサートのチケットとか)をプレゼントする
・○○を渡す

 

私の予測では、ざっくり約1000億円のインドネシアネット広告市場のうち、80%はブランディングを目指した広告活動で、ブランディング目的ですと、どのターゲット層に何のメッセージをどれぐらいのボリュームに届けるかが重要になってくるので、広告効果が測りづらく、差別化が難しくなります。ネット広告だと、指定のターゲティングでボリュームと予算を設定して終わりで、非常に簡単です。そこで、差別化要素として重要となってくるのが、前述の顧客とのリレーションシップです。(○○はここでは言えませんw)

 

個人的には、真の顧客は広告主では無く消費者なので、市場の競争が激しくなると、このモデルは長くは続かないと考えています。ただ、現状インドネシアの経済は成長していますし、とりあえず指定のターゲット層への認知度を上げておけば、ある程度成長は見込めるという状況です。

 

この顧客リレーションシップ活動によって、インドネシアでは100を超えるデジタルエージェンシーが存在しています。量産のロジックとしては、デジタルエージェンシーからの独立です。まずは、デジタルエージェンシーで経験を積んで、顧客リレーションシップを育てることができたクライアントを引き連れて独立するのです。複数社引き連れて独立することができれば、インドネシアは人件費が低いので、彼らにとって十分な利益を確保することが容易です。

 

 

最後に、アドウェイズはと言いますと…スローガンに「なにこれすげーこんなのはじめて」とあるように、なにこれすげーこんなのはじめてなプロダクトを作って、プロダクト・イノベーションに挑戦しています。

 

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インドネシアのモバイル市場2017

つい先日、アドウェイズインドネシアブログでインドネシアのモバイル市場インフォグラフィックの最新版、2017年版が更新されたので、こちらでもまとめておきたいと思います。

 

IMM2017

 

2016年は前年と比較して、インドネシアのモバイルマーケティング市場、モバイル広告市場において、そこまで大きな変化が無かったというのが個人的な感想です。もちろん、大きくはなくとも変化(成長)はあると思っています。インフォグラフィックにあるようにモバイル端末の普及台数は3億3000万台を超えるまでに増え、書かれてはいませんがスマホ普及台数も1億台まで届きそうなところまで来ていると言われています。実際にfacebook広告のスマホ端末ターゲティングをインドネシアでセットしてみると、既に9000万台を超える配信先が表示されます。

 

IMM2

 

スマホ普及台数の増加に合わせて、EC企業のモバイル広告投資も増加しています。インフォグラフィックには2016年に最もダウンロードされたECアプリのランキングがありますが、ここにある上位のEC企業の広告はよく見かけますし、個人的に実際のアクティブユーザー数もこのランキングに近いのではないかと思っています。

 

IMM3

 

そして、徐々にではありますが、モバイル決済も増えていると見受けられます。クリテオ社が発表したデータでは、インドネシアでは30%の決済がモバイル経由になってきたとありますが、某EC企業の方によると、2017年に入って約半数の決済がモバイル経由になっているとのことでした。

 

IMM4

 

一言で表すと、2016年は「よりモバイルシフトが進んだ」という年と言えるのではないでしょうか。しかし、冒頭に述べたように大きな変化とまではいかないと思うのです。そう思う一番の理由は、顧客単価の変化です。モバイルインターネットを通して、お金を払う人はもちろん増えているように見えるのですが、顧客単価に大きな変化(伸び)が無いように見えます。

 

 

例えば、分かりやすい例がモバイルゲームです。日本では、モンストやパズドラに課金しまくる人がたくさんいることでしょう。私は仕事柄多くのデータを見たり、人から話を聞きいたりしていますが、インドネシアで課金するのは、人口のわずかなパーセンテージを占める上位所得者で、ほとんどの人は無課金でゲームを楽しみます。そして、上位所得者層は、iPhoneを使っていることが多く、実際iOSの平均顧客単価は伸びているように見受けられます。一方、スマホユーザーの約8割を占めるAndroidの平均顧客単価はあまり変わっていないように見受けられるのです。

 

 

私は市場全体が大きく成長するためには、大多数を占める中間層の成長が不可欠だと思っています。(スマホを所持できる時点で下層では無いため、中間層より下の話は省きます)

 

 

例えば、私が持っている予測データを用いてご説明しましょう。インドネシアの1年間のAndroidアプリとiOSアプリの課金金額が200億円だとしましょう。AndroidユーザーとiOSユーザーの合計は8500万人とします。

 

 

私の感覚では、
Androidユーザー8000万人×平均顧客単価200円/年
iOSユーザー500万人×平均顧客単価800円/年
という予想です。

 

 

無課金ユーザーも人数に入れて平均顧客単価を算出しているので、説明が分かりにくいかもしれませんが、この年間200円しか使わない層が、単純に400円使えるようになれば、一気に360億円マーケットに成長します。ここまで成長すれば、私も大きな変化と認めざるをえません。ただ、現状この200円ユーザーが成長していないように見えるのです。アプリの課金金額はゲームがほとんどなので、この例はゲーム市場を使って中間層を説明したような形ですが、ECにおいても近い状況が起きているように思うのです。完全に私の予測です。もっと言うと、インドネシア経済全体とすら思ったりもします。中間層である200円ユーザーは、ローンで車とかバイクを買って、家賃も払って結構ギリギリの生活です。お金持ち800円ユーザーは、オーナービジネスや不動産投資など野心を持って資産を増やして行きます。華僑系の方が多いです。結構みんな海外留学をされていたりします。

 

 

野心的、華僑という言葉出てくると、今度は多様性の国インドネシアの歴史的背景の話にそれて行きそうですので、本日はここで閉めたいと思います。

 

 

まとめると、「インドネシアのモバイル市場は爆発的に成長しているというわけではないと思う。でも、結構モバイルシフトが進んでいる。しかしながら、そもそも中間層が成長しなければ、国全体としてマーケットの成長が厳しいのでは?」というお話でした。

 

 

最後に、これはあくまで現状までの市場データを見て、個人の予測と感想を述べただけに過ぎませんので、現時点で私の知らない市場爆発が始まっているかもしれません。それはそれで嬉しいです(笑)。ただ、着実に少しずつでも、日々前を向いて前進していると感じています。インドネシア!

インドネシアのスマホアプリ市場 2016

本日はかねてより要望の多かったインドネシアのスマホアプリ市場について書かせて頂きたいと思います。2011年の設立以来、アドウェイズインドネシアは様々な事業に挑戦してきましたが、2015年5月からこのスマホアプリ市場に集中して取り組んで来ています。

 

スライド1

 

まずインドネシアの基本情報からですが、わかりやすいようにおよその数で暗記しています。意外とスマホ普及台数が知られていなくて、近い数字でも即答できる人にインドネシアで会ったことがありません(笑)。基本的にインドネシア人は数字が苦手というのが私の感想です。面接などでデジタルマーケティングについて意見を求めると、みんな口をそろえてソーシャルメディアが良いと言うのですが、具体的に数字で語れる人に会ったことがありません。すいません、いきなり話それました…。

 

 

スライド2

続いてモバイルキャリアですが、インドネシアではTelkomsel(テルコムセル)、XL(エクセル)、Indosat(インドサット)の3社で、市場の8割以上を占めています。2014年9月にまとめた資料ではありますが、2016年現在でも大きくは変わっていないと思います。スマホアプリ市場に関連したところですと、昨年2015年からついに大手3社とも、GooglePlayのキャリア課金に対応しました。インドネシアのクレジットカード保有者が10%にも満たなかったり、日本のようにGooglePlay専用のプリペードカードが売られていない市場を考えると、大きな前進と言えるでしょう。

 

Othersに関しては、香港系の3(トゥリー)とローカルのSmartfren(スマートフレン)が有名です。

 

 

スライド3

 

モバイルOSに関しては、インドネシアはAndroidの市場です。iOSは非常に少ないです。今までジャカルタにアップルストアができるんじゃないかという噂が何度か流れましたが、まだできておりませんし、できる気配もありません。しかし、個人的な感覚で言いますと、ジャカルタのスタバで、マック製品を使って(ドヤ顔をしている)いる人は、多いように見えます。インドネシアは、ジャカルタとその他の都市で一人あたりのGDPが倍以上離れているので、ジャカルタだけで測定すると、iOS比率はもっと上がるかもしれません。

 

ちなみに、スマホ端末シェアのグラフは用意していないのですが、1位はSamsung(サムスン)で、2位と3位をローカルのEvercoss(エバーコス)とSmartfren(スマートフレン)が争っているという状況です。それぞれ上位端末メーカーは、1万円でも買えるようなAndroid端末を用意しています。

 

 

スライド4

 

続いてブラウザーですが、中国で最も人気の高いUC Browserが、インドネシアで一気にシェアを伸ばし、過半数のシェアを得るまでになっています。逆に今まで一番であったOpera(オペラ)が、どんどんシェアを落としている状況です。考えられる理由は大きく2つありまして、1つは単純に『高速インターネット』を謳って大きな広告予算を投下していること。もう1つ考えられるのが、その高速インターネットを利用してポルノ動画を再生することがより快適になったことです。やはりエロの力は恐ろしいですね…。

 

 

スライド5

 

次はソーシャルメディアです。インドネシアは世界第4位のfacebook人口を誇っており、ソーシャルメディア大国として有名なのですが、実はあまり知られていないのがブラックベリーメッセンジャー(BBM)のユーザー数です。そして、勘違いされやすいのが、このBBMユーザー数はブラックベリー端末だけではないということです。BBMはAndroidでもiOSでもアプリを展開しています。

 

 

rank

 

そしてこれが2016年4月某日のGooglePlay総合無料アプリのランキングなのですが、BBMはAndroidにアプリを公開して以来、ほぼずっと1位の座を守り続けています。先ほどご説明したUC Browserも2位で入っていますし、3~6位までがFacebook、Facebook Messenger、Instagramで、LINEは7位に入っています。

 

 

スライド7

 

次はインドネシアの広告市場ですが、わかりやすいように、広告市場全体が約1.5兆円、ネット広告が1000億円(つまり、ネット広告比率は10%以下)、モバイル広告がそのまた5%の50億円と言うようにしています。ここで申し上げたいのが、インドネシアは隣国や同じような発展途上国と比べてもネット広告比率が低いということです。例えばインド。インドは広告全体の規模はインドネシアに負けているにも関わらず、ネット広告比率は10%以上で、ネット広告市場もインドネシアを上回っています。

 

しかし、やっぱりポテンシャルは高い。一気に爆発すると信じてやっております。

 

 

スライド8

 

続いてモバイルアプリマーケティングのプレイヤーですが、インドネシアは他の産業同様、市場のポテンシャルの高さからある程度のプレイヤーは揃っています。しかし、特徴的なのは、ローカル企業が少ないということ。たくさんの企業ロゴを散りばめましたが、そのほとんどが、インドネシアに支社を持たない企業がほとんどです。特にパフォーマンスマーケティングの分野においては。例えば、CPI(Cost Per Install)広告の分野を見てみましょう。アドウェイズはインドネシアに拠点を置いて、AppDriver(アップドライバー)とSeads(シーズ)というプロダクトを展開していますが、ドイツのFyber(ファイバー)、アメリカのTapjoy(タップジョイ)とSupersonic(スーパーソニック)はインドネシアに拠点を置いていません。

 

先ほどインドのネット広告市場がインドネシアと比べて進んでいると述べましたが、モバイル広告代理店カテゴリーのVserv(ヴィーサーブ)やCPC広告カテゴリーのinmobi(インモビ)はインド出身企業です。

 

 

スライド9

 

これはGooglePlayの売上トップアプリのランキングですが、やはりトップは全て外資系企業で、LINEメッセンジャー以外は全てゲームです。そして、ほとんどがインドネシアに拠点を置いておりません。Seven Knights(セブンナイツ)を展開するネットマーブル社とLINEは拠点を置いています。

 

右側はインドネシア向けにどの広告を使っているのかと言う表なのですが、ほとんどがfacebook広告とAdMobしか使っていないという状況です。これは逆にまだまだチャンスがあるとも捉えることができます。

 

 

スライド10

 

続いて、こちらはショッピングカテゴリにおけるDL数のランキングです。先ほど上位を占めていたゲームと比べると、ほとんどがローカル企業(2016年4月現在、インドネシアでは)で、インドネシア向けの広告投資に積極的です。特にインドネシアで人気のBBM広告はトップのECアプリのほとんどに利用されています。

 

ランキング上位に入ってはいませんが、インドネシアの大手財閥もEC市場への投資に力を入れています。例えば、ジャルムグループが投資するblibli.com(ブリブリドットコム)やリッポーグループが投資するMatahariMall.com(マタハリモールドットコム)などです。先ほどのゲーム市場と比較するとレッドオーシャンに見えますが、モバイルゲーム市場も昨年2015年から中華圏の進出が増えており、今年は一気に競争が激しくなることでしょう。

 

現場からは以上です。

デジタルマーケティングの歴史(インドネシア編)

前回、世界のデジタルマーケティングの歴史において4つの大きな出来事があると、述べました。

 

1.    検索エンジンの登場
2.    DSP/SSPの登場
3.    ソーシャルメディアの登場
4.    ダイナミックリターゲティングの登場

 

本日は、この4つがインドネシアではどのように発展を遂げて行ったのか、書いて行きたいと思います。

 

まず、検索エンジンの登場ですが、インドネシアで初めてのGoogle認定パートナーはDG Trafficだと言われています。DG Trafficは、2009年4月11日にHerman Changによって設立され、今では50名以上で組織されています。

 

DGtraffic

http://www.dgtraffic.com/dgtraffics-4th-anniversary-celebration/

 

 

2016年3月現在で、インドネシア法人として登録されているGoogle認定パートナーは約40社で、さらにインドネシア国外で認定されている企業もいることを考えると、プレイヤーとして50社以上はいるのではないかと予想されます。

 

 

DSPは2012年頃から少しずつ外資系広告代理店によって販売されているのを見かけましたが、2013年10月にPT MicroAd BLADE Indonesiaがジャカルタにオフィスを開設したのが本格的なスタートかと思います。クリテオも2013年12月に東南アジアの販売を強化すべくシンガポールに拠点を開設しました。以前にも少し書かせて頂きましたが、2015年はDSPがブレイクした年だと感じています。MicroAd BLADEは2016年に予定していた黒字を1年前倒しで達成し、クリテオはインドネシアに拠点を置いていないながらもTraveloka、Matahari MallやLazada Indonesiaなど大手ECを広告主としてを抱えるまでになっています。

 

SSPに関しては、Adskomというローカルプレイヤーがいます。Adskomは、2013年にインドネシアローカルのアドネットワーク企業ADSTARSの創業者であるItalo GaniとKoprol の創業者であるDaniel Armantoによって設立されました。2015年7月には、日本のSSP大手のGeniee(ジーニー)がシリーズAラウンドの増資を引き受けており、急成長を期待されています。

 

このようにインドネシアでのGoogle広告、DSP、SSP、ダイナミックリターゲティングの登場のタイミングを見ていると、市場の成長スピードが日に日に増しているように感じます。世界では10年かかったことが、インドネシアでは倍以上のスピードで動いています。

 

そのような変化の激しい環境の中で、やはりインドネシアではソーシャルメディア、特にfacebookのデジタル広告市場への影響力は圧倒的です。まず、ユーザー規模ですが、facebookのインドネシアユーザーは、私がインドネシアに来た2012年には4000万人程だったのが、2016年には8000万人まで増えています。ネットユーザー数は2015年のインターネット・サービス業者協会(APJII)の発表で8,810万人ですので、今まで少し増えたことを鑑みてもネットユーザーの8割以上をカバーしていることになります。そして広告主においても、他のGoogle広告、DSPや各アドネットワークと比較しても、出稿数は群を抜いています。

 

また、広告に限らず、ソーシャルメディア・マーケティングという新たな市場も創りだしました。facebook上で企業やブランドのアカウントを作って運用したり、アプリを作ってキャンペーンを行ったりなど、企業のソーシャルメディア・マーケティングを支援するデジタルエージェンシーが数多くあらわれました。私の推測ですが、インドネシアには100社以上のデジタルエージェンシーが存在すると考えています。特にfacebook広告は誰でも簡単に運用できるように設計されているので、運用のレベルの違いはあれど、参入障壁が非常に低いビジネスです。

 

インドネシアで一番古いデジタルエージェンシーは1996年に設立されたbubu.comだと言われています。日本では、電通とソフトバンクの合弁によるデジタルエージェンシー「サイバー・コミュニケーションズ(Cyber Communications inc.)」が設立されたのも1996年、サイバーエージェント(Cyber Agent, Inc.)が設立されたのが、1998年ですので、インドネシアではかなり先進的な企業であったことが分かります。bubu.comは、世界で最も革新的なテクノロジーベンチャー企業100社に贈られる「2011 Red Herring Top 100 Global(2011年レッドヘリンググローバルトップ100社)」に選ばれており、創業者兼CEOのShinta Witoyo Dhanuwardoyo自身も2011年にインドネシアの大手経済誌Globe Asia主催の「99 Most Powerful Women」に選ばれるなど、女性経営者として活躍が評価されています。

 

2014年10月Mark Zuckerberg来イ。ジョコ大統領やShinta女史と面会

 

そして今私がfacebookの中で一番注目しているのが、Audience Network(オーディエンス・ネットワーク)です。オーディエンス・ネットワークによってfacebook外部のウェブサイトやアプリにも広告出稿が可能となるのですが、今年2016年1月にモバイルウェブへの配信拡大を発表しました。インドネシアでは、PC普及率よりも、携帯電話の普及率の方が非常に高いため、モバイルウェブへの配信拡大は、今までアドネットワークとして圧倒的なGoogleディスプレイネットワークも脅威に感じていると思います。実際にインドネシアで多くのトラフィックを集めるニュース・ポータルサイトを見ていると、まだまだGoogleの広告枠を多く目にしますが、例えばゲームアプリを見てみると、最近一気にfacebookオーディエンス・ネットワークの広告配信が増えてきているように感じています。

 

facebookads

https://www.facebook.com/business/help/788333711222886

 

今年さらにfacebook広告の力が強くなっていくことを考えると、通常のアドネットワークの分野でタイムマシーン経営は非常に厳しいように見えますが、もちろん穴は無数に存在するので、こういったパワーバランスを理解しながら戦略を立てることが成功確率を高めることに繋がるのではないでしょうか。

デジタルマーケティングの歴史(世界編)

前回、日本とインドネシアのEC市場について、書かせて頂きましたが、オンラインショッピングのように、先進国で起こったビジネスを発展途上国に持ってくる、所謂タイムマシーン経営という手法をインドネシアではよく目にします。

 

しかし、先進国で流行ったビジネスをただ持ってくるだけでは、成功するとは限りません。私が挑戦し続けているデジタルマーケティングの世界でも、それは顕著です。例えば、DSPを例にあげましょう。DSPはインドネシアで2012年頃から販売をされ始めていたと記憶していますが、その頃は市場が広がる様子は全くありませんでした。しかし、今では徐々に広がってきています。やはり、そのビジネスが成功した背景がぴったりと当てはまることが難しいのだと思います。国も違えば言語も宗教も文化も様々なことが違ってきます。

 

今回は、タイムマシーン経営の成功確率を上げるための一例として、世界のデジタルマーケティングの歴史を学んでいきたいと思います。

 

 

私は、デジタルマーケティングの歴史において、今まで以下の4つの大きな出来事があったと考えています。

 

  1. 検索エンジンの登場
  2. DSP/SSPの登場
  3. ソーシャルメディアの登場
  4. ダイナミックリターゲティングの登場

 

 

GoogleIPO

http://thehustle.co/shaq-is-a-heck-of-an-investor

 

まず、最初の大きな出来事は、GoogleやYahooなどの検索エンジンの登場です。何かを探したいと考えるユーザーに対して、それに関連した広告を表示されるという、非常に合理的且つパフォーマンスの高い広告、検索連動型広告が登場し、インターネット広告が一気に注目を浴びるようになりました。その代表格のGoogleは1998年9月4日にGoogleは非公開の会社として設立され、2004年8月19日に最初の株式公開を行うという急成長を見せました。

 

 

Bankruptcy of Lehman Brothers

http://www.theguardian.com/commentisfree/cifamerica/2011/dec/12/lehman-brothers-bankrupt

 

次の大きな出来事には、2008年9月15日に起こったリーマン・ショックが大きく関係しています。ご存知の方も多いと思いますが、リーマン・ショックとは、アメリカ合衆国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズが破綻したことに端を発して、続発的に起こった世界的金融危機です。その過程で、投資銀行に勤めていた多くの優秀なシステムエンジニアが職を失うこととなりました。彼らの一部がIT業界に移動し、発展させたのがDSPやSSPなど、当時の証券取引の技術をオンライン広告取引に応用したRTB取引を使う広告システムでした。RTBは今まで広告枠(スペース)を購入していた広告主に対して、ユーザー単位で広告配信取引ができるという画期的なシステムを提供し、その市場を広げていきました。

 

 

facebookPIO

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M486MT6JTSE801.html

 

そして、時系列は少し被りますが、facebookやtwitterなどの世界的ソーシャルメディアが登場します。facebookは2004年に学生のみに限定したサービスとしてスタートしましたが、2006年9月26日に一般公開されてから急速にユーザー数を増やし、2010年にはアクセス数でGoogleを抜き去るという急成長を見せて話題になりました。そして、2012年5月18日、NASDAQ市場にてIPOを果たします。一方twitterは2013年11月7日にニューヨーク証券取引所に株式を上場しています。デジタルマーケティングにおいて特筆すべきなのは、facebookやtwitterはユーザープロファイルを保有しているため、非常に細やかなターゲティング広告が可能となったことです。これによって、細かい運用で広告効果最大化を狙うスタートアップや中小ベンチャー企業、ターゲティングを気にする大手企業の両者のニーズに対応し、市場拡大に拍車がかかっていきました。

 

 

CriteoIPO

http://www.rudebaguette.com/2014/10/30/one-year-ipo-criteo-mafia-emerges/

 

最後は、ダイナミックリターゲティングの登場です。これは2つ目のDSP/SSPの登場の延長線なのですが、特に世界中で拡大するEC市場に大きな影響を与え、インドネシアにおいても非常に関連性が高いため、入れさせて頂きました。このダイナミックリターゲティングというのは、膨大なユーザーデータを利用して、WEBサイトの訪問者ごとに広告表示を細かくカスタマイズする方法です。ユーザーデータというのは、例えば、e-commerceサイトの商品閲覧履歴です。例えば私が、ナイキのエアジョーダン6を閲覧したとすると、一定期間エアジョーダン6をお勧めする広告を見るようになるのです。旅行サイトでも同じです。私がバリ島のホテルを検索すれば、バリのホテルのディスカウント情報が広告として表示されるようになるのです。さらに、複数のホテルが一気に比較できるようになっていたりします。このダイナミックリターゲティングの代表格は2005年にフランスで設立されたCriteo(クリテオ)です。彼らは南北アメリカ、ヨーロッパ、アジアに23カ所のオフィスを展開し、2013年10月31日には米NASDAQ市場にてIPOを果たしました。

 

この4つの出来事が、インドネシアではどのように関係しているのでしょうか?

続きは次のエントリーで書きたいと思います。

インドネシアで一番利用されているメッセンジャーアプリは?

インドネシアで一番使われているメッセンジャーアプリは何でしょうか?

 

実は、各種調査によると ブラックベリーメッセンジャー(BBM)なのです

 

ここでブラックベリー端末と混同しがちなのですが、違います。

BBMはブラックベリー端末だけでなく、AndroidやiOSでアプリを展開しており、その比率は2015年秋のブラックベリー社資料によると、

 

Android端末:3550万MAU
iOS端末:200万MAU
ブラックベリー端末:1350万MAU

 

全体では5100万MAU(マンスリーアクティブユーザー)という規模になり、インドネシアのスマホ普及台数がまだ1億台に届いていないことを考えると、スマホ保有者の2人に1人はBBMアプリを利用しているということになります。

 

他のメッセンジャーツールと比較してどうでしょうか。

 

160225wearesocial-2016-indonesia

出典:DIGITAL IN 2016

 

160225jakpat

出典:INDONESIA MESSENGER TREND REPORT 2016

 

 

各社調査方法は違うかと思いますが、BBMがメッセンジャーアプリで1番利用されているようです。

また、GooglePlay Storeにおいてもアプリローンチから今まで総合無料アプリランキング1位をほぼずっと守り続けています。

160225GooglePlayTopFree

 

最近ではLINEインドネシアがECとゲームに力を入れて色々な取り組みを行っており、このままBBMの1位が続くかわかりませんが、インドネシアのメッセンジャーアプリ市場はこの1,2年で大きな動きがある気がします。

LINE_GOJEK

例えばLINEはバイク配車アプリ大手のGO-JEKと提携し、LINEを通してバイクタクシーを注文できるようにしました。

インドネシア、ネット広告市場の変化【2016年版】

今日はネット広告分野にフォーカスして書いて行きたいと思います。

インドネシアのネット広告市場は以前のブログの記事
インドネシアのネット広告カオスマップ2015」で指摘したように、まだまだデジタルの理解が遅れており、健全な競争が行われているマーケットとは言えません。もっと伸びて良いはずが、まだまだ伸び悩んでいるという状況です。

しかし、2015年に入って、ある分野において少しずつ変化が見られるようになりました。それは「アドネットワーク」と「ゲームを中心としたモバイル広告」の分野です。

 

まず、アドネットワーク分野ですが、今まではCPMやCPCのネットワークを中心に広まり、インドネシアではとりあえず規模とユーザーターゲティングが広告主の要望でした。そこに、プログラマティックバイイングという言葉がやって来て、DSPが広告主に受け入れられる(理解とはまだ言えない)ようになって来たのが、2015年なのです。ただ、プログラマティックバイイングやRTBという言葉が一人歩きしている感は凄くあるのですが、今まで広告スペースをネットワークし、CPCやCPMを提供していただけのアドネットワーク企業にとって立場が苦しくなってきたことは確かです。実際2015年は、ローカルアドネットワーク大手のAdplusが韓国モバイルメディア大手Yello Mobile傘下のYellow Digital Marketingに買収され、インド系Komli Media Indonesiaがマレーシアの通信キャリア大手Axiata Groupから買収されています。

 

インドネシアでDSPというと、仏系クリテオと日系のマイクロアドの名前が有名です。クリテオは2013年12月にシンガポールに拠点を作って東南アジアを攻めており、マイクロアドはマイクロアドインドネシアとは別に、マイクロアドブレードインドネシアという会社を2013年秋頃に設立しています。クリテオはLazada、Matahari Mall、Tlavelokaなどの大手ECを広告主として囲い、マイクロアドは2016年に予定していた黒字を1年前倒しで達成するという好調ぶりです。

 

出典:
Korea’s Yello Mobile continues acquisition spree, snaps up Indonesia’s Adplus
Komli Media’s South East Asia operations bought by Axiata for $11.5 million
Criteo pursuing further growth in Southeast Asia via hub in Singapore
インドネシアにおけるMicroAd BLADEの専売会社『MicroAd BLADE Indonesia』設立 インドネシア国内のアドプラットフォーム事業を強化
マイクロアド、海外事業の黒字化達成–渡辺社長が明かす好調な要因

 

 

次にゲームを中心としたモバイル広告ですが、2015年に入って、中韓のゲームアプリディベロッパーがインドネシアで広告を拡大するようになってきました。以前はfacebook広告が中心でしたが、最近ではBlackBerry広告やLINE広告などインドネシアならでは広告メニューに手を広げるようになっています。BlackBerryメッセンジャー(BBM)はインドネシアで5000万ユーザー以上、LINEも3000万以上のユーザー数がいると言われており、インドネシアで強い存在感を示しています。

図6

モバイル広告市場は外資系をメインに様々な企業が参入していますが、パフォーマンスマーケティング分野では、ゲーム企業を中心に熾烈な争いが繰り広げられています。なぜ競争が起こるのかというと、GooglePlayやAppStoreというグローバルに解放されたプラットフォームがあり、インドネシアのゲームアプリディベロッパーは前述の中韓のディベロッパー含め、世界各国の猛者たちと戦わなければならないからです。インドネシアのデジタルマーケティング市場のほとんどは、競争が無く健全な市場とは言えませんが、このゲームディベロッパーを中心としたモバイル広告市場に関しては、各社競合他社よりも優れたマーケティングを行おうと必死になり、競争が生まれています。

 

少しずつですが、健全な競争が生まれつつあるインドネシア。インターネットの分野だけでなく、他の分野にも波及し、国としてさらなる成長を遂げることを期待しています。

インドネシアのインターネット業界(2012-2015)

私のインドネシア生活もついに3年半を超えました。
この3年半もの間、インドネシアのインターネット業界ではたくさんの変化が起きました。
変化の激しい業界なので、全部書くわけにはいきませんが、今回は私が代表的だと思う変化をまとめていきたいと思います。

 

Androidのスマートフォンが劇的に普及
図1

2015年7月時点で、Androidユーザーは68%まで達しています。2013年に米調査会社e-marketer社が、2015年にスマホ普及台数は7480万台に到達すると予測していましたが、もし到達しているとすると(個人的には到達していると考えています)、約5000万台のAndroid端末が普及していることになります。Counterpoint社の調査によると、2015年の1Qのスマートフォン端末シェアは、Samsungが32.9%、地場のEvercrossが13.1%、キャリア事業も展開するSmartfrengが12.9%。EvercrossはGoogleと低価格スマートフォンAndroid Oneを提供しています。また、2014年9月に上陸を果たしたXiaomi もネットでのフラッシュセールで5000台が7分で完売するなど、大きな話題となりました。

出典:
Market share held by mobile operating systems in Indonesia from January 2012 to December 2015
Smartphone Penetration Doubles in Indonesia
Market Monitor Q1 2015 : Handset and Smartphone Indonesia
LazadaとXiaomi(小米):5,000台のRedmi 1Sがインドネシアで7分で完売

 

 

ジャカルタでLTEが使えるようになり、条件が整えば外でも動画をスムーズに見られるようになった
図2

三井物産も出資するPT Internuxが、「BOLT! Super 4G LTE」としてTD-LTE方式の高速移動体通信サービスを2013年12月より提供開始しました。2015年末までに利用者数300万人まで到達させることを目指しています。大手携帯キャリアは、2014年12月に各社4G LTEのサービスを開始し、最大手のPT Telekomunikasi Selular (Telkomsel)は、2015年6月時点で60万人(利用者全体の0.5%)を獲得したと発表しました。まだ5都市と利用が限られるため、今後の成長が大きく見込まれます。

出典:
Bolt! 4G LTE Hits 1 Million Users
Telkomsel Gains 600,000 4G LTE Users

 

 

facebookとtwitterがジャカルタにオフィス開設
図3

facebookが2014年3月、twitterは2015年5月にジャカルタにオフィスを開設しました。facebookは2015年12月現在で7500万人のユーザーを抱えており、twitterは2014年に2000万人のアクティブユーザーがいるという発表もあり、インドネシアはソーシャルメディア大国として注目されています。実際にfacebookの創業者であるマーク・ザッカーバーグ氏は2014年10月に来イし、ジョコ・ウィトド大統領と面会を果たし、twitterも翌2015年3月に当時のCEOディック・カストロ氏が来イし、ユフス・カラ副大統領と面会しました。

出典:
Facebook opens office in Jakarta
Twitter has close to 20 million active users in Indonesia
Zuckerberg temui Jokowi di Jakarta
CEO Twitter Bertemu Wapres Jusuf Kalla

 

 

tokopediaが大型100億円規模の資金調達
図4

公になった記録としては、おそらくインドネシアのスタートアップ市場にとって初の調達額、約1億ドルが、EC大手のtokopediaによって行われました。日本のソフトバンク・インターネット・アンド・メディア(SIMI)がリード・インベスターを務め、Sequoia Capital も出資に参加しています。ECはインドネシアで、インドネシアのネットビジネスで一番期待されている分野で、独ロケットインターネット系のLazadaやZalora、南アフリカのナスパーズが出資するOLX.co.id、など大きな資本を持ったプレイヤーが将来の大市場を狙っています。最近では大手財閥のリッポーグループがMataharimall.comで参入を果たしました。

出典:
Indonesian online marketplace Tokopedia raises $100M from SoftBank and Sequoia
From Archives: Companies should produce leaders: William Tanuwijaya, Tokopedia CEO

 

 

モバイルアプリが活用されるようになり、特にバイクタクシー配車アプリのGoJekとGrab Bikeのドライバーが街に溢れるようになった。
図5
2015年に入り、アプリ利用の主流であったソーシャルメディアやメッセンジャー以外も使われるようになってきました。ジャカルタ在住者であれば、GoJekとGrabBaikは誰でも知るサービスになっています。同年秋には大手タクシー会社ブルーバード社が運営するBlujekuや女性専用のLadyJekも参入し、市場が盛り上がって来ました。

出典:
Persaingan Sengit GrabBike dan Go-Jek di Indonesia
BluJek, Ojek Online Lokal Baru Pesaing Go-Jek
This 22-year-old is building a Go-Jek competitor exclusively for women

 

 

いかがでしたでしょうか?

私が2012年7月に赴任した当時は、スマホと言えばBlackBerryが主流でしたが、現在はAndroidが凄い勢いで増えています。そして、スマートフォンアプリもどんどん使われるようになって来ました。

私の所属するアドウェイズインドネシアも、2011年の設立当初はホームページ制作やソーシャルメディアマーケティングなど、所謂広告代理店事業を行っておりましたが、途中幾度となく事業モデルを変更し、現在のモバイルアプリマーケティング事業に行き着いています。そして、今のインドネシアのモバイル市場を見ていると、当分この事業で勝負できると考えています。先のことはわかりませんが(笑)。