インドネシアの華麗なる一族たち④

山崎豊子著作の「華麗なる一族」では、財閥グループ発展のために息子娘たちを財界の有力者一族と結婚させる所謂閨閥戦略が作中にあります。インドネシアでもそれが戦略的であるかはさて起き、財閥同士で家族関係が作られているケースが多くあります。前回、ジャルムグループについてご紹介させて頂きましたが、今回はそのジャルムグループを起点に家族関係を見て行きたいと思います。

 

財閥関係図2

 

ロバートの長男のヴィクトールは2014年の3月に結婚をしたのですが、その相手はサリムグループの重役Benny Setiawan Santoso(ベニー・サントソ)の娘Amelia Santoso(アメリア)でした。披露宴にはアンソニー含むサリムファミリー、BCA社長のJahja Setiaatmadja、政界からはMS Hidayat産業大臣(当時)、ガルーダ・インドネシア社長(当時)Emirsyah Satarなど多くの財界人が集まりました。

 

次男のマーティンはウィングスグループ会長Eddy William Katuari(エディ・ウィリアム・カツアリ)の長女Grace Liviana Katuari(グレース・リヴィアナ・カツアリ)と結婚しました。ウィングスグループはライオンやファミリーマート、吉野家など多くの日系企業と合弁を組んでいることで有名で、会長のエディは2015年フォーブス誌の富豪ランキングでインドネシア17位に入ります。ウィングスグループとジャルムグループの関係は、2004年から始まったインドネシア最大級のショッピングモール「Grand Indonesia(グランドインドネシア)」建設プロジェクトで急接近したと言われており、同プロジェクトはグレースが会長、ハルトノファミリーのTessa Natalia D. Hartonoが社長を務める共同事業です。

 

続いて、ウィングスグループをもう少し掘り下げて行きましょう。エディにはグレース以外にも3人の娘がいます。

 

■Jane Stephanie Katuari(ジェーン・ステファニー・カツアリ)
彼女はプランテーション事業で上場をしているPT Gozco Plantations Tbkの副社長Kreisna Dewantara Gozali(クレイスナ・デワンタラ・ゴザリ)と結婚しています。クレイスナの父親Tjandra Mindharta Gozali(チャンドラ・ミンドハルタ・ゴザリ)が同社で社長を務め、他複数企業の会長職・社長職を兼任し、現在のゴズコグループを取り仕切っています。

 

■Erlin Katuari(エルリン・カツアリ)、Widya Katuari(ウィディヤ・カツアリ)
彼女はタイの最大財閥CP(チャルーンポーカパン)グループ会長の甥であるBenjamin Jiaravanon(ベンジャミン)と結婚しました。ベンジャミンは現在、CPグループインドネシアの社長を務めています。2009年にウィングスグループとCPグループは吉野家のインドネシアでの店舗展開のために、合弁でPT Multirasa Nusantaraという会社を設立しており、社長にはカツアリ4姉妹の1人、Widya Katuari(ウィドゥヤ・カツアリ)が就任しています。

 

 

これらはインドネシアにある数多くの財閥のほんの一部ですが、今回登場したジャルムグループ、サリムグループ、ウィングスグループ、ゴズコグループ、そしてタイのCPグループ、全て華僑系財閥です。東南アジア経済における華僑系財閥の力は絶大ですが、血縁関係を結び、さらにネットワークが強化されている印象です。

 

 

参考:
インドネシア経済を支配する財閥グループたち(2013年版)
インドネシア経済を支配する財閥たち(2014年版)