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インドネシア、ネット広告市場の変化【2016年版】 - インドネシアブログ

インドネシア デジタルマーケティング 市場調査

インドネシア、ネット広告市場の変化【2016年版】

今日はネット広告分野にフォーカスして書いて行きたいと思います。

インドネシアのネット広告市場は以前のブログの記事
インドネシアのネット広告カオスマップ2015」で指摘したように、まだまだデジタルの理解が遅れており、健全な競争が行われているマーケットとは言えません。もっと伸びて良いはずが、まだまだ伸び悩んでいるという状況です。

しかし、2015年に入って、ある分野において少しずつ変化が見られるようになりました。それは「アドネットワーク」と「ゲームを中心としたモバイル広告」の分野です。

 

まず、アドネットワーク分野ですが、今まではCPMやCPCのネットワークを中心に広まり、インドネシアではとりあえず規模とユーザーターゲティングが広告主の要望でした。そこに、プログラマティックバイイングという言葉がやって来て、DSPが広告主に受け入れられる(理解とはまだ言えない)ようになって来たのが、2015年なのです。ただ、プログラマティックバイイングやRTBという言葉が一人歩きしている感は凄くあるのですが、今まで広告スペースをネットワークし、CPCやCPMを提供していただけのアドネットワーク企業にとって立場が苦しくなってきたことは確かです。実際2015年は、ローカルアドネットワーク大手のAdplusが韓国モバイルメディア大手Yello Mobile傘下のYellow Digital Marketingに買収され、インド系Komli Media Indonesiaがマレーシアの通信キャリア大手Axiata Groupから買収されています。

 

インドネシアでDSPというと、仏系クリテオと日系のマイクロアドの名前が有名です。クリテオは2013年12月にシンガポールに拠点を作って東南アジアを攻めており、マイクロアドはマイクロアドインドネシアとは別に、マイクロアドブレードインドネシアという会社を2013年秋頃に設立しています。クリテオはLazada、Matahari Mall、Tlavelokaなどの大手ECを広告主として囲い、マイクロアドは2016年に予定していた黒字を1年前倒しで達成するという好調ぶりです。

 

出典:
Korea’s Yello Mobile continues acquisition spree, snaps up Indonesia’s Adplus
Komli Media’s South East Asia operations bought by Axiata for $11.5 million
Criteo pursuing further growth in Southeast Asia via hub in Singapore
インドネシアにおけるMicroAd BLADEの専売会社『MicroAd BLADE Indonesia』設立 インドネシア国内のアドプラットフォーム事業を強化
マイクロアド、海外事業の黒字化達成--渡辺社長が明かす好調な要因

 

 

次にゲームを中心としたモバイル広告ですが、2015年に入って、中韓のゲームアプリディベロッパーがインドネシアで広告を拡大するようになってきました。以前はfacebook広告が中心でしたが、最近ではBlackBerry広告やLINE広告などインドネシアならでは広告メニューに手を広げるようになっています。BlackBerryメッセンジャー(BBM)はインドネシアで5000万ユーザー以上、LINEも3000万以上のユーザー数がいると言われており、インドネシアで強い存在感を示しています。

図6

モバイル広告市場は外資系をメインに様々な企業が参入していますが、パフォーマンスマーケティング分野では、ゲーム企業を中心に熾烈な争いが繰り広げられています。なぜ競争が起こるのかというと、GooglePlayやAppStoreというグローバルに解放されたプラットフォームがあり、インドネシアのゲームアプリディベロッパーは前述の中韓のディベロッパー含め、世界各国の猛者たちと戦わなければならないからです。インドネシアのデジタルマーケティング市場のほとんどは、競争が無く健全な市場とは言えませんが、このゲームディベロッパーを中心としたモバイル広告市場に関しては、各社競合他社よりも優れたマーケティングを行おうと必死になり、競争が生まれています。

 

少しずつですが、健全な競争が生まれつつあるインドネシア。インターネットの分野だけでなく、他の分野にも波及し、国としてさらなる成長を遂げることを期待しています。

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