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インドネシアの小売市場【2020年度版】①

インドネシア 小売 市場調査

インドネシアの小売市場【2020年度版】~明と暗~

最近は、台湾ドリンクスタンド市場インドネシア飲食店向けSaaS業界インドフードテック市場中国フードテック市場アジアのフードデリバリー市場などについて書いてきたが、そろそろ次のシリーズを書ける学びが溜まってきたので、タイトルのインドネシア小売市場について筆をとっていきたい思う。

まず、小売市場の推移を見てみよう。インドネシアの小売企業約500社が加盟するインドネシア小売業協会(Aprindo/アプリンド)によると、インドネシアの小売市場は2015年の181兆Rp(約1兆5700億円)から右肩上がりで上昇し、昨年2019年は256兆Rp(2兆480億円)見込みで、今年2020年には286兆ルピア(約2兆3080億円)を目指しているとのことである。140兆円を超える日本の小売市場と比較すると低すぎるので、詳しく調べて見たところ、どうやらインドネシア政府が規定する小売業分類「ミニマーケット」「スーパーマーケット」「デパートメントストア」「ハイパーマーケット」の4つに該当する事業(加工食品・飲料を除く)の売上合計のようである。後ほど主要企業の売上などを使って解説するので、参考までに規模感と上昇傾向というところを留めておいて頂きたい。

小売業店舗の分類(商業大臣規定2013年第70号)

  • ミニマーケット:400m²未満のスペースで食料品、生活用品等の各種消費財の販売 
  • スーパーマーケット:400m²以上のスペースで食料品、生活用品等の各種消費財の販売  
  • デパートメントストア:400m²以上のスペースで消費者の性別・年齢に応じた売場での衣料品等の各種消費財の販売 
  • ハイパーマーケット:5,000m²以上のスペースで食料品、生活用品等の各種消費財の販売 
  • 卸売(グロシール):5,000 m²以上のスペースで各種消費財の卸売販売

ミニマーケットとはいわゆるコンビニエンスストア(コンビニ)のことである。実は、インドネシアはこのコンビニの急成長が、小売市場の右肩上がりを支えているのだ。そして、コンビニ市場の80%以上のシェアを占めるのが、財閥サリムグループ傘下のIndomaret(インドマレット)と、ミニマート事業を中心に一大グループを作り上げたAlfamart(アルファマート)である。インドマレットはPT Indomarco Prismatamaによって運営され、アルファマートはPT Sumber Alfaria Trijaya Tbkによって運営されている。

両社の2018年度のレポートによると、インドマレットが国内16366店舗で売上70兆3700億ルピア(約5630億円)。アルファマートが国内13600店舗で売上66兆8170億ルピア(約5345億円)である。先ほどの小売市場のデータが正しいとすると、この2つの企業で、市場シェアの半分以上をとってしまうことになる。ただ、両社が小売第3位の企業と3倍以上の圧倒的な差をつけていることから、大きく外れてはいないようにも思える。

アルファマートを例にとって急成長ぶりを解説すると、2002年時点では141店舗の状況から2018年には13600店舗、32の物流拠点、11万5000人ものスタッフが関わっているとのことである。また、インドマレットに関しては、2018年末の16366店舗から2019年は1200店舗の出店を計画しているとのことであった。

コンビニ第3位はと言うと、カナダのAlimentation Couche-Tard社によってマネジメントされている「サークルK」で、店舗数は2019年4月末時点で492店舗である。実は、サークルKは外資系コンビニの中では進出が異常に非常に早く、1986年にジャカルタに1号店を出店(当時は米Circle K Stores社がマネジメント)していたのだ。続いて第4位は日本のファミリーマートで、2019年12月時点で150店舗を超えており、第5位はローソンで同時点で50店舗を超えたところである。インドネシアでは、ライセンス供与を受ける1社が直営方式で開業できる店舗数が150と決められており、150店舗はある種外資企業の大きな壁となっている。また、販売する商品の80%はインドネシア産のものにしなければならないという定義が曖昧な法律もあり、進出企業を悩ませていた。

2大コンビニが引っ張るインドネシア小売市場であるが、コンビニ以外の小売企業も進出ラッシュであった。以下に、小売企業の小売市場年表をまとめておく。

インドネシア小売市場年表

2008年10月:韓国ロッテグループがオランダ資本のマクロ・インドネシアの株式75%を取得し、ハイパーマーケット事業で進出
2009年10月:無印良品が1号店をオープン
2009年11月:セブンイレブンが1号店をオープン
2010年4月:インドネシア財閥CTコープ(当時はPara Group)が仏カルフールの小売事業の株式40%を取得
2011年8月:ローソンが1号店をオープン
2012年10月:ファミリーマートが1号店をオープン
2012年11月:CTコープが仏カルフールの小売事業の株式を100%取得
2013年6月18日:ミニストップが1号店をオープン
2013年6月22日:韓国ロッテグループがショッピングモール「ロッテショッピングアベニュー」をオープンし、ユニクロ1号店が出店
2013年6月:フランスの老舗百貨店「Galeries Lafayette(ギャラリー・ ラファイエット)」がオープン
2013年10月;H&Mが1号店をオープン
2014年8月:韓国ロッテグループが「ロッテマート(スーパーマーケット業態)」1号店をオープン
2014年10月:イケアが1号店をオープン
2014年11月:タイ財閥セントラルグループが「セントラル百貨店」1号店をオープン
2015年5月:イオンが「イオンモール」1号店をオープン

毎年何か新しいものがインドネシアにやって来るという希望に満ち溢れた雰囲気であった。当時、Apple Store(アップルストア)進出の噂が毎年毎年出回っていた。Linkedinでアップル社員の採用募集が行われていたので、ついにと思っていたが、結局出店はなかった(笑)。そんな浮かれた気分の中、2015年を境に、一気に暗転していく。

2015年12月:Supra Boga Lestariが所有するミニストップ事業会社の株式を全株売却2016年2月:Hero Group(へロー)が不振が続いていたコンビニ「スターマート」事業を売却
2016年6月:ミニストップがBahagia Niaga Lestariと締結していたエリアフランチャイズ契約を終了
2017年5月:Modern Internasional子会社のモダン・セベル・インドネシアが「セブンイレブン」事業を撤退
2017年8月:ヘローがミニマート「ジャイアント・マート」事業を開始
2017年10月:ミトラ・アディプルカサ(MAP)が中間層向け「Lotus(ロトゥス)」5店舗全て閉鎖
2017年11月:MAPが英国系「Debenhams(ディベンハムズ)」2店舗を全て閉鎖
2018年3月:百貨店最大手のマタハリ・デパートメント・ストアが2017年度決算において8期ぶりの減益を発表
2019年1月:ヘローが主力のスーパーマーケットを計26店舗閉鎖し532人の解雇したと発表
2019年12月:ヘローがミニマート「ジャイアント・マート」を全店閉鎖
2019年2月:タイセントラル百貨店がネオソーホー店を閉鎖
2019年12月:シンガポール系メトロホールディングスが折半出資で運営するインドネシアの合弁会社Metropolitan Retailmartの株式を、合弁相手のCTコープ傘下企業に全て売却

もちろん2015年以降全てネガティブなニュースであった訳では無いが、2大コンビニが伸び続ける裏側で、閉鎖や事業売却のニュースが増えていたのだ。特に衝撃的だったのが、セブンイレブンの撤退である。当時、161店舗が運営されていたのだが、事業売却の話は出ていたものの、突然の全店閉鎖であった。

もぬけの殻のセブンイレブン店舗(Nikkei.comより)

年表でたくさんの企業名が登場したが、次回は自家製業界マップを使って各企業を解説したいと思う。

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