外食産業

世界に羽ばたく台湾の4大ティーブランド(前編)

前回はタピオカ市場について解説したが、まずは前回のおさらい。

世界のタピオカ加工工場となっている台湾は、タピオカ澱粉生産国のタイから輸入しており、加工後は自国で使われる以外に日本やアメリカなどに輸出している。日本へのタピオカ輸出量は、空前のタピオカミルクティーブームによって2018年から一気にトップに躍り出て、2019年はさらに突き放す見込みとなっている。日本だけがブームで伸びているのかと思いきや、アメリカ、マレーシア、韓国、インドネシア、ベトナム、カナダ、フィリピン、シンガポールなど、各国5年前と比較して倍以上の伸びを記録。その背景には台湾のティーブランドのグローバル展開関係しているのではないか?ということであった。

ということで、本日はタイトルの通り、「世界に羽ばたく台湾の4大ティーブランド」を紹介する。グローバル展開する台湾ティーブランドは4社以上存在するのだが、今回は中華圏以外に複数国進出し、合計1000店舗以上展開しているティーブランドを紹介していく。なお、各国の展開店舗数がいくつか出てくると思うが、実際の店舗数の確実性は少々大目に見て頂きたい。調査や発表時期によって多少ズレたり、各国の公式ホームページを見ても告知画像と告知文の数字がズレていたり、何より中国本土の店舗数調査に非常に苦労した。こんなに百度を触ったのは久日ぶりである(笑)。店舗数は参考値として、大枠のストーリーに注目して読んで頂きたい。

CoCo都可(ココトカ)

ココトカカナダのホームページより

まず1つ目に紹介するのは、世界4000店舗展開するココトカ。4000店舗という規模は台湾ティーブランドでNo.1である。創業は1997年で、台湾ティーブランド界の老舗である。

ココトカは1997年5月、台湾島最北部の港町淡水区で前身となる「都可流行生活飲食」が誕生した。当時、台湾の伝統的なお茶産業の衰退を憂えていた洪肇水(英語圏ではTommy Hungと表記されている)が、自身の商品開発経験で若い世代に受け入れられる飲み物を開発できないかと考え、清王朝後期から続くお茶農家4代目の郭鑒之と手を組み、さらにアイデアと実行力に長けた若き力、陳慶生を加えて3人で創業。地元で評判を得たココトカは、2001年に台北都心部に進出し、2005年に100店舗達成。2007年に中国本土進出を果たし、2009年には350店舗目をオープンし中華No.1ティーブランドとなる。

2009年には、グローバル展開の立役者となる林家振がココトカに入社する。彼は国立台湾大学卒業後、ペンシルバニアウォートン校でMBAを取得し、ドイツ銀行やクレディ・スイスで働いたエリートであった。彼のインタビューを読むと、「パートナーの厳選」「台湾本社での一元管理」「食材の品質管理」「一流のチームとそれに見合った人事制度」など非常に興味深いものばかりであった。ココトカの海外展開に関しては、ジョイントベンチャー方式を採用しており、現地のパートナーと合弁会社を設立して進出するケースがほとんどのようだ。審査期間は通常半年から1年以上かかることもあり、時間をかけて行われる。日本では株式会社グッドウェーブプロモーションがパートナーとなっており、株式会社Tastea Trustea Japanという合弁企業が設立されているが、ファーストコンタクトから契約まで1年9ヶ月、オープンまで2年半かかったそうである。

海外進出に時間をかけているにも関わらず、なぜ年間500店舗ペースで出店し、4000店舗まで到達できるのか?

理由は80%の3200店舗以上は中国本土で展開されているからである。2019年3月時点で3200店舗近辺であるので、2019年12月時点ではもう少し増えているはずである。台湾では400店舗以上という記事があるので、中華圏以外は残り10%に満たない400店舗以下と予想する。本社のホームページが現在メンテナンス中なので、運転中の北米サイト以外はGoogle Mapで1つ1つ見つけ出して、筆者が捉えたのは100店舗強であった。アジアで多かった国は、フィリピンの39店舗。アメリカ25店舗とカナダが23店舗と、北米である程度の出店数が確認できた。

50嵐(ウーシーラン)グループ

続いては、グループで3000店舗以上を展開するウーシーランである。実は、グループとして呼ばれている訳ではないのだが、オーナーが同じであるので、一括りにさせて頂く。ウーシーランは創業の地、台湾では500店舗以上でティーブランドNo.1の地位についており、中国本土では「一点点」というブランドで、ココトカに次ぐ2300店舗を展開している。

50嵐グループのエリア別展開ブランド。店舗数は2019年12月時点(筆者作成)

ウーシーランもココトカと同じ90年代に誕生している。創業者は馬瑞東。1994年当時、彼の家族がフライドチキンの屋台販売を台南で行なっており、その隣でドリンクスタンドを設置したのが始まりである。馬瑞東は、自分のなけなしの預金を遣って、ドリンクスタンドを自らデザインし、メニューも考え、妹の馬雅芬と販売をスタートさせた。元々あったフライドチキンが好調であったため、ドリンクもすぐに売上が上がり、名もなきお店も半年後にウーシーランと名前が付いていた。そして、3年後の1997年、屋台ではなく最初のカフェをオープンに至る。ちなみに、店名のウーシーランは、馬瑞東が好きだった日本の漫画「キャンディキャンディ」の作画担当五十嵐優美子が由来である。

ウーシーランは2003年に台湾本部「深耕茶業有限公司」を設立し、台湾北部に進出。順調に店舗を拡大していたが、次は中国本土や海外を目指そうという時に、大きな問題が起こる。ウーシーランという名前は、中国本土で既に商標登録されていたのだった。

今年、「無印良品」を展開する良品計画は、中国での「無印良品」の商標権をめぐる訴訟で中国企業に敗訴し、約1000万円の支払いを命じられたという事件があったが、中国では早い者勝ちでブランドが奪われてしまうケースがあるようだ。

話を戻して、ウーシーランは2011年に生根餐饮管理(上海)有限公司を設立して、「一点点」という新ブランドで勝負をすることに決める。海外に関しても、既に中国本土にウーシーランという名前が出回っているということを考えると、新ブランドで勝負した方が良いということになり、2006年に作った「KOI Thé(コイティー) 」を海外市場向けに注力している。

コイティーのグローバルサイトより

コイティーは2019年12月現在、10カ国250店舗以上展開しており、他の台湾ティーブランドと比較して店舗数が多い国は、インドネシア(64店舗)、シンガポール(57店舗)、タイ(39店舗)など東南アジアに力を入れているようである。

サクッと4つ紹介しようとしたが、調べてみると非常に興味深い台湾ティーブランド。予想よりもボリュームが出てしまったので、今回は1990年代に生まれた老舗の2社に留めておいて、次回は2000年代以降に生まれた2社を紹介していきたいと思う。

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