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スタートアップが推進するデジタル小売革命

インドネシア スタートアップ 小売 市場調査

スタートアップが推進するデジタル小売革命

前回までインドネシアの小売市場について紹介して来たが、市場全体は成長していても、コンビニ市場の急成長とEC(イーコマース)の台頭で、小中型スーパーマーケット、大型スーパーマーケット(ハイパーマーケット)、デパートメントストア(百貨店)が苦戦している状況であった。例えば、2017年に百貨店事業の縮小を余儀なくされたインドネシア小売企業大手のMitra Adiperkasa(MAP)は、公開の会議で、 Virendra Prakash Sharma(V・P・シャルマ)副社長が「百貨店が世界的に魅力を失ってきたことから取り扱いブランドの削減を検討している」「百貨店やファッションに対する支出が減っている」などと述べている。シャルマ副社長が述べた通り、インドネシアに限った話でも無い。

閉店するバーニーズ(WWDより)

昨日、2020年2月23日、97年続いた米国老舗高級百貨店「Barneys(バーニーズ)」が昨年の破綻により米国完全閉店となった。

日本においても、百貨店やアパレル主要企業の売上はピークからどんどん下がって来ている。

どの国でも理由としてあげられるのが、ECの台頭である。日米だとアマゾンで、本国米国では「Amazon GO(アマゾン・ゴー)」によって小売事業にも参入している。インドネシアでは、アマゾンは未進出だが、進出の噂は常にあり、現状ではTokopedia(トコペディア)やBukalapak(ブカラパック)と言った現地EC企業が強い状況である。このような競争激化の時代に、既存の小売企業はどう生き残って行くのか?

2019年初頭、インドネシアスーパーマーケット大手のヘローが26店舗閉鎖に踏み切った時、ハイパーマーケット大手の「Transmart(トランスマート)」や百貨店の「Metro(メトロ)」を展開する財閥CTコープの総帥Chairul Tanjung(ハイルル・タンジュン)は「小売企業はデジタル時代の激しい競争を生き抜くために、ビジネスモデルを変更しなければならない」と述べている。実際にインドネシアでは、スタートアップを中心に、小売ビジネスをデジタル化する企業が現れているのだ。本日は、その1つを紹介していきたい。

インドネシアのワルン(Bjorn Grottingより)

インドネシアの首都、ジャカルタの街を歩いていると、ところどころに小さな売店が存在する。Warung(ワルン)と呼ばれており、直訳すると屋台である。ワルンは中間層以下の所得の人々にとって生活の一部であり、食料品やシャンプーや石鹸などの日用品、新聞やタバコなど様々な物が購入でき、安価のローカルフードを提供するお店もある。インドネシアのワルンは、その数310万と言われており、コンビニの100倍ぐらいの数が存在するのだ。

2017年10月に設立された「Warung Pintar(ワルン・ピンタール)」は、そんな屋台をデジタル化するスタートアップである。共同創業者兼CEOのAgung Bezharie Hadinegoro(アグン・ハディネゴロ)は、設立前にベンチャーキャピタル(VC)のEast Ventures(イースト・ベンチャーズ)の社内プロジェクトであるコワーキングスペース事業「EV Hive(現在のCO HIVE)」のマーケティング責任者を担当しており、コワーキングの前にあるワルンに注目していた。毎日コワーキング利用者で混雑するワルンを見て、それをデジタル化するアイデアを思いついたのだ。

ワルンピンタールの意味はスマート屋台である。ワルンピンタールは、上記のような機能をスターターキットとして提供し、ワルンをデジタル化して行くのだ。重要となってくるのが、充電環境、wifi環境、そしてITソフトウェアの提供である。通常、街中にあるワルンにwifi環境は無い。wifiと充電環境によって常時インターネット接続し、ITソフトウェアによって色々なデータを取得して行くのである。ワルンピンタールが提供するITソフトウェアは「Juragan App」というスマートフォンで起動するアプリであり、POSレジ機能、電子決済、在庫管理、商品の発注・配達が可能で、運営者は市場に買いに行かずに店舗の営業に集中でき、ワルンがネットワーク化されることで通常よりも安価な仕入れが可能となる。ワルンピンタールとしては、販売データを活かして、後ろのTV画面で広告を流すなど、データを使った様々なビジネスが可能となる。将来的には、消費者側のアプリを作り、以前紹介したFore CoffeeやKopikunaganのようなOMO的なサービスを行う、あるいは連携していくものと筆者は予想している。

ワルンピンタールは2019年1月に、EV Growth (East Ventures、SMDV、YJ Capital による共同のVC)、LINE Ventures、デジタルガレージなどから2750万米ドル(約30億円)を調達。2019年3月には、小規模店舗向け流通プラットフォームを運営するLimakiloを買収し、2019年末時点で5000のワルンをネットワークするまでに成長している。そして、2020年はその数を10倍に拡大し、IoT、ビッグデータ分析、ブロックチェーンの3つの事業を推進していくとのことである。

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