インドネシアのネット広告市場に見るナンバーワン企業の法則

みなさん、「ナンバーワン企業の法則―勝者が選んだポジショニング」という本をご存知でしょうか?原題は「The discipine of market leaders」でマイケル・トレーシーさんとフレッド・ウィアセーマさんによって書かれたものを大原進さんが翻訳しています。アマゾンで検索してみたら、もう既に絶版になっており、中古で5000円ぐらいするんですね…。

 

ナンバーワン企業の法則

 

 

私がはじめてこの本に出会ったのは大学3年生の就職活動時期で、その後社会人3年目でもう一度読み直したきりでした。そして長い年月が経って、最近インドネシアのネット広告市場を説明する中で、本書に出てくるナンバーワン企業が選ぶ3つの価値基準が、しっくりくるので、このブログでもご紹介しようと思った次第です。

 

 

ナンバーワン企業の3つの価値基準とは?
1.    Product Innovation(プロダクト・イノベーション)
2.    Operational Excellence(オペレーショナル・エクセレンス)
3.    Customer Intimacy(カスタマー・インティマシー)

 

 

私は就職活動時期に、某IT企業のセミナーでこの3つの価値基準の説明を受けたのですが、凄く分かりやすかったので10年ちょっとたった今でも鮮明に覚えています。

 

プロダクト・イノベーションを発揮しているのは、例えばマイクロソフトやインテルのような新しいプロダクトを出し続けることで市場を圧巻している企業です。当時セミナー講師のK先生は「愚民どもよ、我らのプロダクトを使うが良い」という面白い表現をされていましたが、本当にそうは言っていなくても、それぐらい言えるような企業です。Google(グーグル)もそれに入りそうですね。

 

2つ目のオペレーショナル・エクセレンスを発揮しているのは、例えばマクドナルドです。K先生は、「高校生のアルバイト中心でも店舗がまわる仕組みを作ったことは素晴らしい。例えば銀行が高校生だけでまわるのか?」とおっしゃっていましたが、まさに卓越したオペレーション体制を築いている企業のことです。他には、質の良い家具を低価格で提供するオペレーション体制を確立させたイケアが入るのではないでしょうか。

 

最後に3つ目のカスタマー・インティマシーですが、例としてリッツカールトンホテルの名前をあげられていました。顧客の好みを記録して、顧客に驚きと感動を与え、親密な関係を築き上げる企業のことです。サービス業に多そうですが、ファッションブランドのエルメスも同じ商品を修理して長く使ってもらうという顧客関係を築くので、これに当てはまると思います。

 

 

では、これらをインドネシアのネット広告企業に例えるとどうでしょうか?

 

 

1.    プロダクト・イノベーション
こちらは本当に「愚民どもよ、我らのプロダクトを使うが良い」がぴったりなのですが、facebook(フェイスブック)とグーグルの広告のことです。フェイスブックはパーソナルデータを用いて市場を圧巻し、グーグルも検索連動型広告だけで無く、リマーケティング広告、ネイティブ広告、動画広告など網羅し、両社とも新しい広告機能をアップデートし続けています。東南アジアにおいても、その強さは目を見張るものがあり、APACのネット広告市場の51%は彼ら2社によって支配されているという調査データも出ています。あともう1社あげるとすればCriteo(クリテオ)社です。彼らはダイナミックリターゲティングというプロダクトで、インドネシアの上位EC企業のほとんどを顧客としています。フェイスブック(米)、グーグル(米)、クリテオ(仏)、みんな欧米企業ですね。

 

2.    オペレーショナル・エクセレンス
インドネシアにおいて、このポジショニングに関しては、日系ネット広告代理店が力を発揮しているように思います。前述のフェイスブックとグーグルの広告ですが、この広告を最適に運用するためのオペレーション体制を築く企業がいます。フェイスブック広告はターゲティングの設定技術だけで無く、バナーや動画などどういったクリエイティブを用意するかも重要です。ある日系広告代理店は、フィリピンにクリエイティブ制作部隊を作り、日夜ABテストで効果改善を行っていると聞きます。グーグル広告にしても、日々のキーワード設定もそうですが、目まぐるしく変わる広告機能やケーススタディの情報収集、そしてそれら新しい知識を現場の運用スタッフへの落とし込むオペレーションが非常に重要です。

 

3.    カスタマー・インティマシー
最後のカスタマー・インティマシーですが、インドネシアで儲かっていると言われているネット広告企業、デジタルーエージェンシーのほとんどがこのポジショニングをとっています。例えば、世界大手の広告代理店WPPグループやオムニコムグループ、日本の電通もそうですが、グループ傘下にデジタルエージェンシーやデジタル専門部署を持っており、このポジショニングで大きな売上を上げていると考えられます。外資系だけでなく、ローカル系も同じです。私は採用活動と情報収集のために、100人近くのマネージャーや営業担当とリンクトインを通じて会って来ましたが、みな口を揃えて顧客とのリレーションシップが大事だ、それがインドネシア独特のカルチャーだと言います。

 

 

もう少しインドネシア独特のカスタマー・インティマシーについて、お話しましょう。

 

 

私が会った100人近くのマネージャーや営業担当が言う顧客とのリレーションシップとは?

 

・毎日ワッツアップやBBMで、挨拶やジョークを送る
・たまにドーナツ持参でオフィスに訪問
・誕生日にはお祝いのメッセージとケーキを贈る
・クライアントの担当者が欲しいもの(例えば、靴とかコンサートのチケットとか)をプレゼントする
・○○を渡す

 

私の予測では、ざっくり約1000億円のインドネシアネット広告市場のうち、80%はブランディングを目指した広告活動で、ブランディング目的ですと、どのターゲット層に何のメッセージをどれぐらいのボリュームに届けるかが重要になってくるので、広告効果が測りづらく、差別化が難しくなります。ネット広告だと、指定のターゲティングでボリュームと予算を設定して終わりで、非常に簡単です。そこで、差別化要素として重要となってくるのが、前述の顧客とのリレーションシップです。(○○はここでは言えませんw)

 

個人的には、真の顧客は広告主では無く消費者なので、市場の競争が激しくなると、このモデルは長くは続かないと考えています。ただ、現状インドネシアの経済は成長していますし、とりあえず指定のターゲット層への認知度を上げておけば、ある程度成長は見込めるという状況です。

 

この顧客リレーションシップ活動によって、インドネシアでは100を超えるデジタルエージェンシーが存在しています。量産のロジックとしては、デジタルエージェンシーからの独立です。まずは、デジタルエージェンシーで経験を積んで、顧客リレーションシップを育てることができたクライアントを引き連れて独立するのです。複数社引き連れて独立することができれば、インドネシアは人件費が低いので、彼らにとって十分な利益を確保することが容易です。

 

 

最後に、アドウェイズはと言いますと…スローガンに「なにこれすげーこんなのはじめて」とあるように、なにこれすげーこんなのはじめてなプロダクトを作って、プロダクト・イノベーションに挑戦しています。

 

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インドネシアのハイセンスなローカル外食企業

前回はインドネシアに進出する大手外食企業についてまとめました。
本日は、ローカル企業で特にハイセンスな外食企業に絞ってご紹介したいと思います。インドネシアではオシャレで雰囲気の良いレストランがたくさんあり、地元のセレブや欧米人に大人気です。

 

 

1.    ISMAYA GROUP

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まずご紹介するのが、ISMAYA GROUPです。
インドネシアで数々のハイセンスなレストラン、バー、ラウンジを生み出した先駆者的な存在です。創業は2002年で、Christian Rijanto、Brian Sutanto、Bram Hendrataの3人が共同創業者として事業を開始し、2016年現在、15ブランドの32店舗、2000人近くの従業員を有する大企業となりました。飲食店以外にもイベント企画事業を手掛け、ケイティ・ペリーなど人気ミュージシャンを海外から誘致し、インドネシア最大級のダンスミュージックDjakarta Warehouse Project(通称DWP)や、バリ島で開催されたUltra Baliなど、インドネシアで国際的な音楽イベントが開催できることを証明してきました。

 

私もISMAYA GROUPの店舗は頻繁に使わせて頂いており、特にインドネシア国外からゲストが来ると、BCAタワーの56階にあるルーフトップバー「SKYE」にはよく案内します。ジャカルタの街を見渡せる絶景スポットです。また、最近ですとSampoerna Strategic Squareタワーの1階にあるGIAによく行くのですが、毎週木曜日にワイン飲み放題メニューがあり、天井が高くて素晴らしい雰囲気のレストランで、ワインをがぶがぶ飲んじゃうことができます。

 

 

2.    PTT Family

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続いては、ジャカルタを拠点にレストランやホテルを展開するPTT Familyをご紹介します。バリ島に旅行したことのある方だと、ポテトヘッド(Potato Head Beach Club)という名前を聞いたことがあるかもしれません。昼も夜も凄く雰囲気の良いビーチクラブで、バリ島のおすすめスポットの1つです。

 

PTT Familyのスタートは2009年で、経営を担当するRonald Akiliとクリエイティブを担当するJason Gunawanが創業しました。今年になって初めてホテルThe Katamama (ザ・カタママ)をバリでオープンさせ、今後さらにホテル事業を拡大するプランを打ち立てています。

 

ザ・カタママは、インドネシアで著名な建築家 Andra Martin (アンドラ・マーティン)が設計を担当し、シンガポールのデザイン会社 Takenouchi Webb (タケノウチ・ウェブ) が内装を手掛けています。インドネシアを感じることのできる洗練された空間で、今個人的にバリ島で最も行ってみたいホテルです。今後オープン予定のThe Kataoma(ザ・カタオマ)とThe Katamama Canggu(ザ・カタママ・チャングー)も建築界の巨人レム・コールハースが関わっており、どんなホテルができるのか非常に楽しみです。

 

 

3.    The Union Group

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続いては、The Union Group(ユニオングループ)です。
ユニオングループのオーナーの一人であり、マーケティングとPRを担当するのはJennifer Karjadi (ジェニファー・カルジャディ)です。グループとしての創業は2014年ですが、ジェニファーは2006年に「CORK&SCREW」、2008年に「LOWEY」をオープンさせていきました。複数のシェフやワイン、クリエイティブの専門家、経営者などが加わり、ユニオングループは文字通り結合しながらグループとしての形を成して行きます。

 

例えば、東南アジア料理の提供する「E&O」はシェフWill Meyrickとのコラボレーションです。彼はバリ島で「Sarong」と「Mama san」を所有しています

 

「UNION」「The Dutch」「Bistecca」を立ち上げたのは、世界で最も稼ぐシェフGordon Ramsay(ゴードン・ラムゼイ)のレストランで修業を積んだAdhika Maxi(アディカ・マキシ)と、彼の妻でケーキ職人のKaren Carlotta(カレン・カルロッタ)です。夫婦でオープンさせた最初のレストラン、UNIONは超人気店です。最近ではユニオングループとは別で、日本食レストラン「Izakaya Kai」をオープンさせており、こちらもまた繁栄店になっています。

 

 

4.    Biko Group

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最後にご紹介するのはBiko Groupです。
創業者でありグループ会長を務めるMikael Mirdadは、1986年生まれで、今年30歳になったばかりの若手経営者です。大学時代に海外留学をしていたMikaelは、身近にビールが飲めるシドニーでの生活を楽しんでいましたが、ジャカルタに戻って気付いたのは、数少ない決められたレストランやバーだけでしか飲めないということでした。そこで最初に手掛けた飲食ビジネスが、2010年6月にジャカルタのKemang(クマン)オープンしたBEER GARDEN(ビアガーデン)です。ビアガーデンは瞬く間に成功し、2011年12月、2店舗をSCBDに出店します。その後、ビアガーデン以外のレストランも複数手掛け、2013年からBiko Groupとして成長を続けています。

 

彼らの手掛ける店舗で、特にユニークなのが、2015年12月にオープンした日本料理の「風神」です。バリ島で大人気の鉄板焼きレストラン「雷神」の姉妹店なのですが、ここの接客サービスが非常に面白いのです。私はバリ島の「雷神」で初体験したのですが、特徴的なのが「息ぴったりの挨拶」です。インドネシアでこんな体験初めてだ!と感動したのですが、朝礼で有名な某外食企業がすぐ頭に浮かびました(笑)。バリ島の「雷神」はKaminari Groupによって運営されているのですが、実はオーナーのRajawali Suriadiredja(ラジャワリ・スリアディレジャ)さんが元々その某外食企業で働かれていたようです。日本の接客サービスが海を渡って受け継がれているのは非常に素晴らしいことだと思います。ちなみに料理も凄く美味しかったです。「Tiger Prown Bloccoli Mayo(エビとブロッコリのマヨネーズ炒め)」と「広島焼き」がおすすめです。

 

 

いかがでしたでしょうか?
2000年代前半からポツポツとセンスの良いオシャレなレストランが現れ始め、2010年から一気に増えています。そして、そんなオシャレレストランにインスパイアされ、ジャカルタでもそれ以外の都市でもオシャレなカフェが増えてきている印象です。

 

ただ、最後に一言苦言を呈すると、個人的には味はまだまだかなと思っています。特に日本食の味です。ローカルには受け入れられているようですので、良いかもしれませんが、ハイセンス且つ食べ物も美味しいレストランの登場を期待して待っています。

インドネシアに進出する日系外食産業ヒストリー(大企業編)

私がジャカルタに来てから4年の年月が経ちましたが、長くジャカルタに住んでいる方に4年前と比べて大きく変わったものは?と聞いた場合、飲食店と答える方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。

 

4年前とは全然違います。
例えばラーメン。私がジャカルタにやって来た2012年7月には、日本から進出しているラーメン屋は「まる玉(2010年5月)」「博多一幸舎(2011年6月)」
「山小屋(2012年1月)」とオープンしたばかりの「らーめん山頭火(2012年5月)」ぐらいでした。カッコ内はオープン年月です。今では優に20を超えるラーメン屋が日本から進出して来ている状況です。

 

また、最近では油ソバまで登場し、先週もショッピングモールのグランドインドネシア内にある油ソバ専門店の「山ト天」に行って来たのですが、平日昼間に行列ができる程の人気でした。4年前には考えられない味とバリエーションです。
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平日昼間に空席を待つお客さんたち

 

肉の食べ放題もそうです。4年前は「ハナマサ」ぐらいしかありませんでしたが、今や「牛角」の焼き肉食べ放題や、元牛角創業者が展開する「しゃぶ里」でしゃぶしゃぶ食べ放題を楽しめます。しゃぶ里は、しゃぶしゃぶ食べ放題ですが、さんまの炊き込みご飯とかもあります。

 

 

ということで、前置きが長くなりましたが、本日はインドネシアの外食産業について、このままレポートして行きたいと思います。

 

 

この数年間、たくさんの外食企業がインドネシアへの進出を果たしましたが、その中で日本の大手上場外食企業も多くいらっしゃいます。
各企業の売上高を比較しながら紹介していきましょう。

 

2015年度ランキング(フードビジネス研究所より)
1位:ゼンショー(5,257億円)
3位:コロワイド(2,341億円)
5位:吉野家(1,857億円)
7位:ロイヤル(1,303億円)
12位:トリドール(955億円)
17位:モスフードサービス(711億円)
19位:サンマルク(660億円)
25位:壱番屋(440億円)

 

このランキング順に、各企業の進出年月日とパートナーについてまとめてみました。インドネシアでレストラン事業を行う際、つい最近の2016年2月11日に資出資規制が緩和されるまで、51%までの外資出資制限があり、現地のパートナーが必要でした。ですので、各企業、パートナーがいるケースが多いです。ちなみに、現在は外資100%でも可能です。

 

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各パートナーですが、実は外食事業に特化している企業は多くありません。食品関連の企業もありますし、食と全然関係無い企業もあります。

 

 

■ゼンショー
日本の外食市場においてトップに君臨するゼンショー。ブロードキャスティングシステムやセキュリティシステムなどの販売を展開するSenjaya Group(センジャヤグループ)をパートナーに選び、北ジャカルタのベイウォークモールに「すき家」1号店をオープンさせました。2016年8月現在、ジャカルタとその周辺エリアで5店舗まで拡大させています。

 

■コロワイド
コロワイドグループの子会社、PT REINSMARINDO INDONESIAは、2015年6月20日にインドネシア1号店となる「しゃぶしゃぶ温野菜」をイオンモールBSD City内にオープンさせ、インドネシア進出を果たしました。同タイミングで、「牛角」3号店もイオン内にオープンさせましたが、既に出店している2店舗に関しては、2006年にスタートしたフランチャイズ店舗です。パートナーはキッチン衣類や食器具などの家庭用品を展開するMaspion Group(マスピオングループ)です。

 

■吉野家
吉野家は1994年にフランチャイズ形式でインドネシアに進出し、6店舗まで拡大したものの、アジア通貨危機の影響を受けて98年に撤退していました。再進出は、インドネシアFMCG業界大手のWings Group(ウイングスグループ)とタイの財閥最大手CPグループのインドネシア支社との合弁企業とフランチャイズ契約を締結し、2010年6月に1号店をオープンさせています。そして、2016年8月時点で55店舗まで拡大させるに至っています。

 

■ロイヤル
傘下のテンコーポレーションが展開する天丼・天ぷら専門店「てんや」は、インドネシアで「The Duck King」など人気の中華レストランを展開するAsia Culinary Inc PTE Ltd.(アジアカリナリーインク)とフランチャイズ契約を締結し、2014年7月、南ジャカルタ市内で初出店を果たしました。

 

■トリドール
地場の製粉大手PT Sriboga Ratu Rayaを保有するSriboga Group(スリボガグループ)とパートナーシップを組み、フランチャイズ契約を締結したPT SRIBOGA MARUGAME INDONESIAが2013年2月に「丸亀うどん」1号店をオープン。さらに、焼鳥業態の「とりどーる」も2015年5月にオープンさせています。パートナーのスリボガグループは、PT Sriboga Ratu Rayaを通して、2014年に「ピザハット」のフランチャイズを行うPT Sarimelati Kencanaを買収しています。

 

■モスフードサービス
2008年11月、現地で卸・小売業を展開するマスヤグループのPT Glory Sukses Selaras が70%、オリックス株式会社のシンガポールの現地法人が20%、モスフードサービスが 10%を出資して「PT. MOG INDONESIA(モグ インドネシア)」を設立され、翌月12月に、ジャカルタのショッピングモール「プラザ・スナヤン」にて1号店がオープンしました。マスヤグループは食品卸業で1989年に市原和雄氏によって設立され、1995年、日本食スーパーマーケット「papaya(パパイヤ)」をオープン。その後アジア通貨危機を乗り越え、現在食品総合卸業としてインドネシア全土に3万店以上の取引先を持つまでに成長しています。

 

■サンマルク
PT Marinata Boga Jayaとフランチャイズ契約を締結し、2015年12月、ジャカルタの高級ショッピングモール「Senayan City(スナヤンシティ)」に1号店をオープン。

 

■壱番屋
2013年12月、Warga Jaya Group(ワルガジャヤグループ)がインドネシアでのカレーハウスCo Co壱番屋の展開を目的に設立したPT Abadi Tunggal Lestariとフランチャイズ契約を締結し、グランドインドネシア)に1号店をオープン。

 

 

最後のサンマルクと壱番屋のパートナー情報が薄いのですが、理由は公開されている情報がほとんど無かったからです。日本であれば、上場企業や大企業であればすぐに情報を取得できますが、インドネシアでは全般的に情報公開が進んでいません。もちろんインドネシアでも上場企業であれば、公開の義務があり、財務諸表などを確認できますが、それは巨大なコングロマリット、所謂財閥グループの一部であるケースが多いので、その全体像をつかむことは非常に困難です。

 

だからこそ調べがいがありますので(笑)、引き続き調査、研究を続けて参ります。
本日以上です!

日イEC市場比較

インターネット業界において、日本はアメリカから2年遅れていると聞いたことがあります。アメリカで生まれたサービスが、2年後日本にやって来る、あるいは2年後日本でも同じような市場が生まれてくるということでしょうか。

 

インドネシアのような発展途上国を考えると、経済規模、一人当たりの所得、各種インフラの遅れなどから、2年よりももっと遅れていることは想像に容易いでしょう。業界によって違いますが、例えばオンラインショッピングですと、インドネシアは日本に10年程遅れて盛り上がってきました。

 

オンラインショッピングが日本に最初にあらわれたのは、諸説はありますが1993年頃からと言われています。当時はほとんど市場が成長せず、1997年5月1日にモール型ECサイト楽天市場が登場してから一気に時代の流れが変わって行きます。Amazon.comの日本語版サイト「Amazon.co.jp」の登場はその3年後の2000年11月1日です。

 

インドネシアでは、2005年にオランダ人のRemco LupkerとArnold EggがバリでC to C型ECサイトtokobagus.comをオープンさせました(ドメインは2003年に取得されていた)。そこから少し空いて、2009年~2011年にtokopedia、blibli.com、そしてRakuten Belanja Onlineと、続々とプレイヤーが登場します。

 

市場規模に関してはどうでしょうか。日本の経済産業省のデータによると、EC業界の流通総額は2003年4.4兆円から2013年11.2兆と成長し、10年間で約2.5倍になっています。インドネシアは2013年80億ドル(9,600億円)から2016年は250億ドル(3兆円)になると見込まれており、規模で言うとまだまだ15年近くの差がありますが、伸び率は圧倒的にインドネシアです。

 

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2003年度の楽天の業績を調べてみたのですが、EC事業は通期で売上高131.6億円(前年比73.5%増)、営業利益42.9億円(前年比94.9%増)とありました。EC市場黎明期でも30%以上の営業利益率を確保しています。インドネシアではまだそこまでの環境ではありませんが、先ほどの述べたような急激な伸び率を背景に一気に爆発するのか、あるいはまだまだ時間がかかるのか。個人的には2003年の日本の楽天レベルの企業が現れてくるのに少なくともあと2,3年はかかると感じています。

 

その2,3年を長いと感じるのか、もう間もなくと感じるのかは企業によってそれぞれですが、先日楽天はシンガポール、マレーシア、インドネシアのマーケットプレイスの閉鎖を発表しました。しかし、一方でインドネシア財閥大手のCTコープが、EC事業に参入することを明らかにするなど、期待と不安が入り混じっている状況です。

 

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出典:

平成 16 年度電子商取引に関する実態・市場規模調査

Indonesia online commerce to touch $25b by 2016

Indonesian e-commerce market size to double in 2013 to US$8B

楽天、2003年度の売上は前年度比8割増の181億円

楽天が東南アジア各国に展開中のマーケットプレイスを閉鎖、約150人を解雇へ

CT Corp Rambah Bisnis E-Commerce

インドネシア、ネット広告市場の変化【2016年版】

今日はネット広告分野にフォーカスして書いて行きたいと思います。

インドネシアのネット広告市場は以前のブログの記事
インドネシアのネット広告カオスマップ2015」で指摘したように、まだまだデジタルの理解が遅れており、健全な競争が行われているマーケットとは言えません。もっと伸びて良いはずが、まだまだ伸び悩んでいるという状況です。

しかし、2015年に入って、ある分野において少しずつ変化が見られるようになりました。それは「アドネットワーク」と「ゲームを中心としたモバイル広告」の分野です。

 

まず、アドネットワーク分野ですが、今まではCPMやCPCのネットワークを中心に広まり、インドネシアではとりあえず規模とユーザーターゲティングが広告主の要望でした。そこに、プログラマティックバイイングという言葉がやって来て、DSPが広告主に受け入れられる(理解とはまだ言えない)ようになって来たのが、2015年なのです。ただ、プログラマティックバイイングやRTBという言葉が一人歩きしている感は凄くあるのですが、今まで広告スペースをネットワークし、CPCやCPMを提供していただけのアドネットワーク企業にとって立場が苦しくなってきたことは確かです。実際2015年は、ローカルアドネットワーク大手のAdplusが韓国モバイルメディア大手Yello Mobile傘下のYellow Digital Marketingに買収され、インド系Komli Media Indonesiaがマレーシアの通信キャリア大手Axiata Groupから買収されています。

 

インドネシアでDSPというと、仏系クリテオと日系のマイクロアドの名前が有名です。クリテオは2013年12月にシンガポールに拠点を作って東南アジアを攻めており、マイクロアドはマイクロアドインドネシアとは別に、マイクロアドブレードインドネシアという会社を2013年秋頃に設立しています。クリテオはLazada、Matahari Mall、Tlavelokaなどの大手ECを広告主として囲い、マイクロアドは2016年に予定していた黒字を1年前倒しで達成するという好調ぶりです。

 

出典:
Korea’s Yello Mobile continues acquisition spree, snaps up Indonesia’s Adplus
Komli Media’s South East Asia operations bought by Axiata for $11.5 million
Criteo pursuing further growth in Southeast Asia via hub in Singapore
インドネシアにおけるMicroAd BLADEの専売会社『MicroAd BLADE Indonesia』設立 インドネシア国内のアドプラットフォーム事業を強化
マイクロアド、海外事業の黒字化達成–渡辺社長が明かす好調な要因

 

 

次にゲームを中心としたモバイル広告ですが、2015年に入って、中韓のゲームアプリディベロッパーがインドネシアで広告を拡大するようになってきました。以前はfacebook広告が中心でしたが、最近ではBlackBerry広告やLINE広告などインドネシアならでは広告メニューに手を広げるようになっています。BlackBerryメッセンジャー(BBM)はインドネシアで5000万ユーザー以上、LINEも3000万以上のユーザー数がいると言われており、インドネシアで強い存在感を示しています。

図6

モバイル広告市場は外資系をメインに様々な企業が参入していますが、パフォーマンスマーケティング分野では、ゲーム企業を中心に熾烈な争いが繰り広げられています。なぜ競争が起こるのかというと、GooglePlayやAppStoreというグローバルに解放されたプラットフォームがあり、インドネシアのゲームアプリディベロッパーは前述の中韓のディベロッパー含め、世界各国の猛者たちと戦わなければならないからです。インドネシアのデジタルマーケティング市場のほとんどは、競争が無く健全な市場とは言えませんが、このゲームディベロッパーを中心としたモバイル広告市場に関しては、各社競合他社よりも優れたマーケティングを行おうと必死になり、競争が生まれています。

 

少しずつですが、健全な競争が生まれつつあるインドネシア。インターネットの分野だけでなく、他の分野にも波及し、国としてさらなる成長を遂げることを期待しています。